CARTA HOLDINGSを一言でいうなら、広告主、広告会社、メディア、データをつなぐネット広告の総合基盤企業です。
アフィリエイト業界の文脈では、Zucks Affiliateのような成果報酬型広告が目に入りやすいです。ただ、CARTAを「アフィリエイト会社」とだけ見ると狭すぎます。
実態は、広告主側のマーケティング支援、広告会社向けのソリューション、メディア側の広告収益化、広告配信プラットフォーム、自社メディアまで持つ会社です。つまり、広告の入口から出口まで複数の場所に関わっています。

CARTA HOLDINGSは何の会社か
CARTA HOLDINGSは、もともとアドテクやメディア開発に強かったVOYAGE GROUPと、電通系のメディアレップであるCCIの統合によって生まれた会社です。
この成り立ちが重要です。VOYAGE由来のプロダクト・メディア・アドテクの力と、CCI由来の広告会社ネットワーク、メディアレップ機能が組み合わさっています。
そのためCARTAは、広告主に広告を売るだけの会社ではありません。メディアの広告枠をどう収益化するか、広告会社がどう効率的に広告を扱うか、広告主がどうデータを使って成果を出すかまで、広告流通の複数地点を押さえています。
現在地:上場会社から、ドコモ・電通・D2Cをつなぐ広告基盤へ
現在のCARTAを見るうえで外せないのが、資本関係の変化です。
CARTA HOLDINGSは、2025年12月8日に東証プライム市場で上場廃止となりました。背景には、NTTドコモによるTOBと、電通グループとの業務資本提携があります。
さらに2026年1月には、ドコモの連結子会社となり、D2Cを完全子会社化しました。これにより、CARTAは単独上場会社として決算を追う対象から、ドコモ、電通、D2Cを接続するデジタルマーケティング中核会社へ位置づけが変わっています。
ここは今後の記事でも重要です。CARTAは、単体でどれだけ売上を伸ばすかだけでなく、ドコモの会員基盤、電通の広告ネットワーク、D2Cのモバイル広告機能をどう束ねるかを見る会社になりました。
どんな事業をやっているのか
CARTAの事業は、ざっくり4つに分けると理解しやすいです。
| 領域 | 主な内容 |
|---|---|
| 広告主・広告会社向け | 広告運用、SNS、データ活用、テレビCM、EC販促 |
| メディア向け | SSP、広告枠販売、収益最大化、広告配信 |
| 成果報酬・アプリ広告 | Zucks Ad Network、Zucks Affiliate |
| 自社メディア・EC | 神ゲー攻略、比較メディア、EC、各種サービス |
広告主・広告会社向けには、広告運用、SNS広告、データ活用、EC販促、テレビCMなどを扱います。単に広告枠を売るだけではなく、広告主のマーケティング課題を解く側です。
メディア向けには、広告枠の販売、SSP、広告配信、収益最大化を提供します。代表的なサービスに、媒体社向けSSPのfluctがあります。
成果報酬・アプリ広告の領域では、Zucks Ad NetworkやZucks Affiliateがあります。ここがアフィリエイト業界との接点です。
さらに、自社メディアやEC、比較・おすすめメディアなども持っています。つまり、他社メディアを支援するだけでなく、自社でもメディアを運営する会社です。

強み:広告主側とメディア側を両方持っている
CARTAの最大の強みは、広告主側とメディア側の両面を押さえていることです。
一般的な広告代理店は、広告主側の支援に寄ります。広告をどう出すか、どの媒体に出すか、どのクリエイティブを使うかを設計する会社です。
一方、ASPやSSPは、媒体側や成果報酬ネットワーク側に寄ります。広告主とメディアをつなぎ、成果や広告表示に応じて収益を分配します。
CARTAは、その両方を持っています。広告主・広告会社向けのマーケティング支援をしながら、メディア側の広告収益化も支援します。ここが単純な代理店、ASP、メディア企業との違いです。
他社と何が違うのか

主要ASPと比べると、CARTAは成果報酬広告だけに閉じていません。Zucks Affiliateはありますが、SSP、広告配信、データ活用、メディア収益化、テレビCM、EC販促まで広がっています。
Macbee Planetと比べると、MacbeeはLTVマーケティングや成果報酬型の顧客獲得支援に強い会社です。CARTAは、広告主側だけでなく、媒体側の広告収益化基盤まで持つ点が違います。
GMO TECHと比べると、GMO TECHはアプリ向け成果報酬広告、MEO、SEO、不動産テックなどが特徴です。CARTAはより広告流通のインフラ寄りで、広告会社、広告主、メディアをつなぐ位置にいます。
カカクコムやじげんと比べると、CARTAは自社メディアだけで稼ぐ会社ではありません。自社メディアもありますが、本丸は広告・マーケティングの支援基盤です。
アフィリエイト業界の文脈で見る意味
アフィリエイト業界を見るうえで、CARTAをチェックする意味は大きいです。
理由は、アフィリエイトが単独の成果報酬ネットワークだけでは完結しにくくなっているからです。広告主は成果だけでなく、LTV、不正対策、データ活用、動画、SNS、アプリ、EC、ブランド広告まで含めて施策を組み合わせます。
CARTAは、成果報酬広告を持ちながら、その周辺の広告配信、メディア収益化、データ活用も持っています。つまり、成果報酬広告がネット広告全体の中でどう位置づけられていくかを見る材料になります。
今後見るべきポイント

今後のCARTAを見るなら、最も重要なのはドコモデータとの連携です。ドコモは会員基盤、決済、モバイル接点を持っています。これをCARTAの広告配信、データマーケティング、D2Cの広告機能とどうつなげるかが焦点です。
次に、D2C完全子会社化の効果です。D2Cはモバイル広告領域で重要な会社です。CARTAの傘下に入ることで、モバイル広告、IDデータ、電通系の営業網を一体で使える可能性があります。
一方で、メディア向け事業は広告市況の影響を受けます。CPM単価が下がれば、媒体社の広告収益化支援にも逆風が吹きます。CARTAの強みは大きいですが、広告単価や媒体市況の変動は避けられません。
まとめ
CARTA HOLDINGSは、アフィリエイト企業というより、ネット広告の流通構造を広く押さえる総合デジタルマーケティング企業です。
広告主側の支援、広告会社向けソリューション、メディア収益化、SSP、成果報酬広告、自社メディア、ECまで持っています。そのため、単純な広告代理店とも、ASPとも、メディア企業とも違います。
特に今後は、ドコモの会員データ、電通の広告ネットワーク、D2Cのモバイル広告機能をCARTAがどう束ねるかが最大の注目点です。
ネット広告業界を読むなら、CARTAは「広告主とメディアの間で、広告流通をどう設計しているか」を見るための企業です。成果報酬広告だけでなく、広告配信、データ、メディア収益化まで含めた業界構造を理解するうえで、外せない会社です。

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