「育休を取ろう」と決めても、次のハードルは“どう伝えるか”。
正直、ここが一番気を使いました。
僕の場合、上司との関係が最悪で……しかもその上司がパワハラ気質。
「どんな反応をされるだろう」と思うと、話を切り出すまでに何度も深呼吸しました。
フルリモートで切り出した、育休の話
幸い、当時はフルリモート勤務だったので、オンラインで話をする機会がありました。
雑談の流れで「実は、育休のことを少し考えていて……」とジャブを打っておいたのが良かったと思います。
いきなり本題に入るより、少しずつ空気を作っておく。
これはどんな職場でも使える小さなコツだと思います。
そして本題を切り出したとき、上司の第一声はこうでした。
> 「俺は取らなかったよ?」
その瞬間、「あぁ、やっぱりそう来たか」と思いました。
けれど、僕の中ではすでに覚悟が決まっていたし、会社の育休制度を事前に調べておいたので動じませんでした。
会社の制度を知っていたことが、自信になった
実は、会社ではすでに育休推進の動きがあり、
担当者から制度説明を受けていました。
「育休は権利であり、希望すれば誰でも取得できる」
——そのことを理解していたおかげで、もし上司が否定しても、制度的に打ち返せる安心感がありました。
そもそも育休は国の制度になります。会社から与えられるものではなく、「会社も」育休制度には従う必要があるのです。
この準備と知識がなかったら、たぶん僕は引き下がっていたと思います。
上司にどう思われるかより、「制度としてどう認められているか」を知っておく。
それだけで心の安定がまるで違いました。
人事対応はスムーズ。問題は“現場の温度差”
会社としての対応はとてもスムーズでした。
書類の提出や日程調整もスピーディで、「あ、意外とちゃんとしてる」と安心したのを覚えています。
一方で、現場の温度感は少し違いました。
チームメンバーは特に何も言わず、“無関心”という雰囲気。
そして、部長からは思わぬ言葉がありました。
> 「育休を取るなら、給与は下げざるを得ない。」
一瞬、ドキッとしました。
でも僕はすぐに、総務に確認しました。
結果、部長の発言は完全な誤りでした。
その後、総務から部長へ説明が入り、数日後には何も言われなくなりました。
「給与の話はもういいので…」と。
この出来事を通して痛感したのは、制度を正しく知ることは自分を守ることだということです。
伝え方で大切なのは「準備」と「段階」
僕自身、特別うまく話したとは思っていません。
でも、事前に制度を理解していたことと、いきなり言わなかったことは本当に良かった。
伝え方のポイントを整理すると、こんな感じです
育休を切り出す前に意識しておく3つのこと
1. ジャブを打つ
→ いきなり本題に入らず、「考えている」という段階で一度伝えておく。
2. 会社の制度を理解しておく
→ 何を根拠に話すかで、説得力が変わる。
3. ネガティブな反応を想定しておく
→ 否定されても動じないよう、想定問答を自分の中で準備。
まとめ:「知っておく」は最大の防御になる
結果的に、僕の育休申請はスムーズに通りました。
でもそれは偶然ではなく、事前準備をしていたからこそだと思います。
会社の中には、まだ「男性の育休」に慣れていない人もいます。
そんな時こそ、感情ではなく“制度と事実”で動くこと。
それが、トラブルを防ぎ、自分の選択を守る一番の方法です。

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