育休が始まって2か月ほど経った頃、生活リズムはすっかり安定していました。
お世話のサイクルも掴めて、日中は穏やかに過ごせる時間が増えていたと思います。
けれど、その「余白の時間」が、逆に僕の心をざわつかせました。
久しぶりに立ち止まったからこそ、見えてきたことがたくさんありました。
AIに触れて感じた“仕事の危機感
育休中、僕はAIに積極的に触れるようにしていました。
ChatGPTや画像生成AIなど、これまで興味があっても触れられなかった技術に時間を割くことができたんです。
プログラミングも初歩から学び、バイブコーディングで小さなサービスサイトを作ってみたり。
学べば学ぶほど、「AIって本当にすごいな」と思いました。
でも同時に、現職(Web領域)に対して強い危機感を覚えました。
「このままのやり方で、本当に会社は生き残れるのか?」
「自分は何を提供できる人間なんだろう?」
パワハラ上司のもとに戻るネガティブさもあって、
“今の延長線上に未来はあるのか”という問いが、毎日のように頭をよぎりました。
自分の目標を思い出した瞬間
そんな中で、ある日ふと昔の自分を思い出しました。
社会人になった頃に掲げていた目標——
「担当している企業をトッププレイヤーに育てる」こと。
気づけばその目標は、すでに達成していました。
それなのに、次の目標を立てずに、ただ日々をこなしていた。
コロナ禍や業務の忙しさの中で、
「自分が本当にやりたいこと」をすっかり見失っていたんです。
このことに気づいた時、
“次は自分自身を育てる番だ”
という気持ちが芽生えました。
お金よりも「時間」を大切にしたい
育休中の生活は、収入面ではもちろん減ります。
でも、時間の価値はお金では換えられないほど大きいと感じました。
自分のペースで学び、考え、試す時間。
そして子どもの成長を間近で見られる時間。
その中で、僕ははっきりと自分の軸に気づきました。
> 「自分はお金よりも時間を大切にしている」
「自分のアイデアを形にしていくことに喜びを感じる」
これまでのように、会社にすべての時間を預ける働き方はもう違う。
そう感じた瞬間でした。
不安は、常に隣にあった
もちろん、前向きな気づきだけではありません。
30代後半という年齢でのキャリアチェンジには不安もありました。
「今さら転職なんてできるのか」
「もう遅いんじゃないか」
そして、頭の片隅にはいつもパワハラ上司の言葉が残っていました。
> 「転職してもお前の問題は変わらないから」
当時はその言葉を真に受けてしまっていて、
自分の可能性を自分で狭めていたと思います。
けれど今は思います。
あの言葉は“僕の問題”ではなく、“あの人の限界”だったんだと。
育休はキャリアの「空白」じゃない
育休中盤で感じたのは、
この時間は「ブランク」ではなく、「リセットの時間」だということ。
目の前の育児に集中しながらも、
ふとした瞬間にキャリアを考え直す。
そんな時間を持てたからこそ、
これからの働き方を“自分の意思で選ぶ”覚悟ができた気がします。

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