名湯、岐阜県にあるローソク温泉に3泊4日で湯治にチャレンジしてきました。
あまりネット上で宿泊に関する情報が出てませんでしたので、僕が訪れた2024年3月時点の情報でご紹介します。
せっかく来たのに情報不足で困ったことになったら嫌ですよね。
なのでこれからローソク温泉で湯治にチャレンジしてみようという方は参考にしてみてください。
結論、まさに「静養」にぴったり
僕は頚椎ヘルニアを持ってまして、ローソク温泉を訪れたときには痺れも痛みの症状は収まった状態で行きました。ただ、神経系の問題なのでローソク温泉で万全にしたくて湯治にチャレンジしたのが経緯です。
結果的にすごく体が良くなった、という発見は僕の体には起こりませんでしたが、それも含め自分の体の状態を理解できたのは大きかったです。
一方で山の中にある小さな保養所で過ごす時間は、日頃の仕事や「やること」から離れられて休むことに集中できた貴重な時間でした。
なので、ローソク温泉で効能を期待する人はもちろん、体力がまだある人こそ「湯治」はトライしてみてほしいです。
温泉に入るにはルールがある
ローソク温泉に到着!いざ入ろう!
そんなときに聞かされました入浴のルール。これには驚きました。
湯船に浸かる前に体を洗い流すことは基本ですが、ポイントだけをピックアップすると以下。
▼ローソク温泉入浴方法
①2つある湯船に入る順番がある
②それぞれ1回の入浴時間は5~10分以内
③お風呂から出たら1時間30分ほどは休憩を取る
④体調を見ながら1日2回~3回入る
※他にもシャンプーや石鹸の利用は宿泊客のみの利用で、日帰り入浴の場合は利用できないなどある。
そして到着するなり宿で働くお姉様方に、入浴ルールを守るよう口を酸っぱくして言われました。
そんなに強い効能なのか?たしかにラジウム含有量は桁違いで全国上位のものだが、その影響ならちょっと怖い、、、
そのように感じてしまいましたが、その理由はその後すぐに分かりました。
年配の方が温浴をがんばり過ぎるのが問題
ラジウム含有量が桁違いで高く、その効能が期待できるのですが問題はそこでは無さそうでした。
僕の推測も入りますが、入浴ルールが厳しい理由は下記が問題だと考えられます。
▼ローソク温泉の入浴ルールが厳しい理由
・年配の方で持病があり体力が低下している方が多い
・そのような方々が、温泉の効能を求めて10分以上の長湯をする
・普段からあまり湯船につからない方が日に何回も入浴する
・食事前など空腹時に入浴する
→このようなことでめまいや貧血を起こして倒れてしまう人が多いことが原因だと考えられます。
実際、3泊4日の湯治期間の間で2回救急車が来ました。
他の常連客の方にも伺ったのですが、入浴だと思って気軽に考えると、温浴による負担で倒れることが多いようです。
なので、「自分は大丈夫」などと過信せずにルールを守って温泉の効能を頂くことがおすすめです。
※実際、このルールであれば十分効能にあやかれるそうです。
お部屋について
宿泊するお部屋はどの部屋も離れになっていて、一人客の僕は6畳くらいのお部屋でした。
お部屋はエアコンも付いて清潔で、過ごしやすい環境でした。洗面とトイレも別、ベッドにコタツ付きで冬場の3月でも暖かく過ごすことができました。
お部屋にコンセントも2口以上あるので、僕のようにPCを持参したり、スマホを複数台持っている方でも給電環境は整っています。
また、Wi-Fiもあるのでネット環境も十分です。通信は安定しているので、湯治期間中に映画をゆっくり見たい方も安心して利用できます。
また、宿泊の場合は下記の点も情報として役立ててもらえると幸いです。
▼補足
・洗濯は可能、1回100円で利用可(洗剤も貸してもらえる)
※干す場所は用意されていないので各自部屋で工夫
・バスタオル、ドライヤーは持参
※ハンドタオルは貸してくれる
・パジャマは持参
※浴衣はレンタル
1日のスケジュール
湯治期間中の僕の1日の流れはこんな感じです。
▼ローソク温泉の1日のスケジュール
8:30 朝食
11:00 入浴
12:00 昼食は無し
※必要な場合は朝食のタイミングで注文しておく(別料金)
14:00 入浴
15:00 日帰り入浴の終了時刻
※このタイミングで清掃に入るため、宿泊客も一時入浴ができなくなります。
17:30 夕食
19:00 入浴
数時間おきに入浴が入ってくると、以外とあっという間に時間は過ぎていきました。
ある意味メリハリが効いていて、仕事で分刻みで追われる生活と違ってゆったりしつつも行動している感じです。
また、食事やアルコール類の持参は禁止されているため注意が必要です。もしお酒を飲みたくなったら夕食などのタイミングで注文すると良いです。
ちなみに食事はこんな感じでした。
鮎の塩焼きが毎日食べられたのは幸せでした。また、食事も和食が中心で全体的に薄味ですが健康的で僕は嬉しかったです。
ただ、他の方に言わせると飽きてくる。という意見もあります。その気持ちも分かります。
現地で聞いた話
温泉に入っているときや、温泉から出て休憩しているときなど、周囲の常連さんにお話を伺うことができましたその時の内容はこんな感じです。
▼常連さんに聞いた、ローソク温泉のあれこれ
・不用意に長湯したりして倒れる人は多い
・岐阜や名古屋、三重から来る人が多い
・京都、富山にがん治療でローソク温泉を進めるお医者さんがいる
・ローソク温泉のオーナーは観光会社の提携を断っている
※本当に療養で来たい人が来れなくなってしまうため
・ある人の奥さんが膵臓がんを患ったものの、ローソク温泉に通ってからがんの悪性がほぼ無くなった
やはり全国からがん治療のために来る方が多いようで、がんにまつわるお話を聞くことが多かったです。
実際に訪れた僕はがんではありませんが、口コミだけでこれだけ広まっているのはすごいことです。実際ネット上には全くと行っていいほど情報がありませんでした。
これも旅行会社と提携しないでコツコツと信用を積んできたローソク温泉で働く方々が勝ち得たものだと感じずにはいられません。
なので温泉に入れるのは本当に貴重な体験でした。
まとめ。湯治は温泉だけにあらず。
「湯治」と聞くと1日自由に温泉につかれて極楽な気分で体も良くなる。
という風に期待しがちですが、実際は違うんですよね。
もちろん温泉による効能と、温浴による効果の両得は期待できます。
しかし、温泉を出たあとの休息やお昼寝、塩分の少なめで野菜中心の食事。日常の喧騒から離れた静かな空間。これらをまとめて「湯治」と呼ぶわけだと今回の湯治の旅で気付かされました。
これはいくらネットで検索したり本を読んでもたどり着けない気づきです。
湯治含め静養することで、心身ともに健康になるわけです。これはありがたい。
それと同時に自分がいかに日頃からこの静養から遠ざかっているのかに気付かされます。
仕事上手は休み上手でもあると思うので、日常の中でも静養に近い時間を積極的に作るべきですね。
ローソク温泉での湯治は、湯治以上のものを僕に教えてくれました。それでは。
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