GMO TECHの事業別決算を読む:伸びるMEO、不動産DX、立て直し中のアプリ広告

GMO TECH事業別分析サムネイル コラム

GMO TECHホールディングス(415A)は、アフィリエイト広告だけの会社ではありません。現在は、アプリ向け成果報酬広告、MEO/SEM、口コミメディア「エキテン byGMO」、不動産管理会社向けSaaSを持つ、集客支援と業務DXの複合企業です。

この記事では、事業別に過去5年の売上推移を整理し、どの事業が波に乗っているのか、どの事業が踊り場・立て直し局面なのかを読み解きます。

GMO TECHの事業別売上推移
事業別売上推移。2025年は2025年10月開示の成長可能性資料に基づく見通し値。エキテン他は2024年9月〜2025年12月の16ヶ月分を含むため、単純比較に注意。
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まず、開示の注意点

最初に重要な注意点があります。GMO TECHは2025年10月にデザインワン・ジャパンと経営統合し、GMO TECHホールディングスになりました。そのため、2025年の連結PLは統合後の取り込み期間が混在します。

また、アフィリエイト、SEM/MEO、エキテン、不動産テックの事業別粗利は開示されていません。したがって本記事では、事業別売上の推移を軸に、全社粗利、セグメント営業利益、解約率、案件数、黒字化の有無などを組み合わせて読みます。

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事業別売上の5年推移

事業 2021 2022 2023 2024 2025 読みどころ
アフィリエイト 24.2億 38.3億 41.5億 41.0億 32.0億 2025年はアドフラウド・単価下落で減速。通期決算では回復基調も確認。
SEM/MEO 17.1億 15.2億 18.8億 24.5億 31.6億 MEOを中心にストック収益が拡大。解約率は1%未満の低水準。
エキテン他 18.4億 22.5億 24.3億 22.6億 19.7億 旧デザインワン系。2024年まで減速、2025年は再成長フェーズへの立て直し。
不動産テック 1.2億 1.0億 2.3億 3.2億 5.1億 小規模だが高成長。2025年4Qに黒字化、2026年は通期黒字転換計画。

2023年までは、アフィリエイト事業が売上成長を牽引していました。一方で、SEM/MEOと不動産テックは、規模は小さくてもストック型収益として着実に伸びています。

2025年見通しでは、アフィリエイトが落ちる一方で、SEM/MEOと不動産テックが伸びています。ここにGMO TECHの事業構造の変化が出ています。

GMO TECHの事業別ポジションマップ
4事業の現在地。成長性と収益安定性で見ると、MEOと不動産テックがストック収益の柱になりつつある。
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アフィリエイト:規模は大きいが、変動性も大きい

アフィリエイト事業は、主にスマホアプリ向けの成果報酬広告です。2021年の24.2億円から2023年には41.5億円まで拡大し、GMO TECHの成長を引っ張ってきました。

ただし、2024年から2025年にかけては減速しています。成長可能性資料では、2025年見通しは32.0億円。要因としては、アドフラウド、平均案件単価の下落、海外案件の為替影響などが挙げられています。

一方で、2025年通期決算説明資料では、アフィリエイトサービスは3四半期連続で売上増加、4Qは前四半期比16.7%増と説明されています。つまり、衰退というより大型案件・単価・不正対策に左右される変動事業を立て直している段階です。

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SEM/MEO:一番きれいに波に乗っている事業

SEM/MEOは、Google検索やGoogleマップ経由の集客支援です。特にMEO Dashboard byGMOを中心としたMEOサービスが伸びています。

売上は2022年に一度落ちた後、2023年18.8億円、2024年24.5億円、2025年見通し31.6億円へ拡大しています。2025年通期決算説明資料でも、MEOサービスは前年比30%増、SaaS・コンサルのストック売上が好調とされています。

さらに、MEO SaaSの解約率は2024年3Q以降1%未満の低水準です。これは重要です。単発広告ではなく、継続課金の集客インフラとして積み上がっているため、GMO TECHの中で最も「波に乗っている」事業と見てよいです。

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エキテン他:減速後、統合効果で再成長を狙う

エキテン byGMOは、口コミで店舗に集客するメディアです。掲載店舗数は約500万店、口コミ数は累計450万件、月間利用者数は600万人以上とされています。

ただし、旧デザインワン・ジャパン時代の数字を見ると、エキテン事業は2023年8月期16.6億円から2024年8月期13.6億円へ減少し、営業利益も赤字化しています。成長可能性資料でも、エキテン他は2024年まで減速していることが分かります。

現在の焦点は、MEOとの連携です。エキテンの無料会員33万店舗にMEOを販売し、店舗データベースをGMO TECHのMEO営業につなげる構想です。ここが機能すれば、エキテンは単なる口コミメディアではなく、MEOの見込み顧客基盤になります。

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不動産テック:小さいが、黒字化が見えた成長事業

不動産テック事業は、GMO賃貸DXを中心とする不動産管理会社向けSaaSです。オーナーアプリ、入居者アプリ、オーナーCRMを提供し、不動産管理会社の業務効率化を支援します。

売上は2021年1.2億円、2022年1.0億円、2023年2.3億円、2024年3.2億円、2025年見通し5.1億円と、小規模ながら伸びています。2025年通期決算説明資料では、ストック収益の伸長で4Qに黒字化を達成したとされています。

2026年通期予想では、不動産テック事業の売上は6.17億円、営業利益は0.33億円で黒字転換計画です。規模はまだ小さいですが、解約率も1%程度と低く、MEOと同じくストック収益の柱になり得る事業です。

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全社粗利と利益で見ると何が分かるか

事業別粗利は非開示ですが、全社では2024年の売上総利益28.7億円から2025年は33.8億円へ増加しています。一方、営業利益は2024年9.0億円から2025年5.2億円へ減少しました。

つまり、粗利は増えているのに営業利益は落ちています。理由は、アフィリエイトの減速、経営統合関連費用、管理部門費用の増加です。

ここから分かるのは、GMO TECHは売上の中身をストック型に寄せながら、統合費用と立て直しコストを吸収している局面だということです。

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どの事業が波に乗っているか

現時点で最も波に乗っているのは、SEM/MEOです。売上成長、低解約率、SaaS・コンサルのストック収益という条件が揃っています。

次に注目すべきは不動産テックです。売上規模は小さいものの、2025年4Qに黒字化し、2026年は通期黒字転換を計画しています。

アフィリエイトは売上規模が大きいものの、アドフラウド、単価、海外案件、大型案件の有無で変動します。衰退ではなく再建中と見るのが適切です。

エキテンは旧来単体では苦戦しています。ただし、GMO TECHのMEOとつながることで、店舗顧客基盤として再成長できるかが焦点です。

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まとめ

GMO TECHは、アフィリエイト広告だけの会社ではありません。現在は、MEO、不動産テック、エキテン、アプリ向け成果報酬広告を組み合わせた複合型の集客支援企業です。

5年推移を見ると、2023年まではアフィリエイトが成長を牽引していました。しかし現在は、SEM/MEOと不動産テックのストック型収益が伸び、事業の柱が変わりつつあります。

決算を読むうえでの結論は明確です。MEOは波に乗っている。不動産テックは黒字化が見えた。アフィリエイトは立て直し中。エキテンは統合効果待ち。

今後は、MEOと不動産テックのストック収益が伸び続け、アフィリエイトとエキテンを再成長に乗せられるかが、GMO TECHホールディングスを見る最大のポイントです。

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出典

ほうれん草

フリーランスのWebコンサル・プログラマーで生計を立てるために奮闘中。 建設業界の営業マン→Web系企業で正社員中。 東京在住。趣味は格闘技。 コツコツ自分の闘いをつぶやきます。

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