GMO TECHホールディングス(415A、旧GMO TECH 6026)のアフィリエイト事業は、一般的な物販アフィリエイトではなく、主にスマホアプリ向けの成果報酬広告です。
この事業だけを切り出して読むと、アプリ広告市場が「インストール数を増やす市場」から、成果の質、案件単価、LTV、外部課金導線を設計する市場へ変わっていることが見えてきます。

まず、何をしている事業か
GMO TECHのアフィリエイト事業は、スマートフォンアプリ向けの成果報酬型広告です。広告主はアプリ運営会社で、媒体や広告ネットワークを通じてユーザー獲得を行います。
成果地点は、単なる広告表示ではなく、アプリインストール、会員登録、初回利用、初回課金、アプリ内アクションなどです。成長可能性資料では、アプリインストール後のエンゲージメントを成果地点とし、広告効果を最大化するコンサルティングに特徴があると説明されています。
つまり、GMO TECHのアフィリエイト事業は「広告枠を売る」だけではなく、アプリ事業者のユーザー獲得と収益化を成果報酬で支援する事業です。
過去5年の売上推移
| 年 | アフィリエイトサービス売上高 | 区分 |
|---|---|---|
| 2021 | 24.3億円 | 実績 |
| 2022 | 38.3億円 | 実績 |
| 2023 | 41.5億円 | 実績 |
| 2024 | 41.0億円 | 実績 |
| 2025 | 32.4億円 | 会社見通し |
2021年以降、GMO TECHはアプリクライアントと直販営業に注力し、アフィリエイトサービス売上を大きく伸ばしました。2021年の24.3億円から、2023年には41.5億円まで拡大しています。
一方で、2024年から2025年にかけては減速しました。会社資料では、アドフラウドによる影響や単価下落、海外案件の為替影響などが説明されています。
なお、アフィリエイト単体の売上総利益や営業利益は開示されていません。ここは無理に推定せず、売上、案件数、直販案件数、単価要因で読むのが正確です。
最大の読みどころ:案件数は増えても売上が落ちた
2025年2Qの決算説明では、アフィリエイトサービス売上が前年同期比48%減、前四半期比22.8%減となった一方で、案件数は前年同期比5.8%増、直販案件数は8.7%増でした。
これはかなり重要です。案件数は増えているのに売上が落ちています。つまり、アプリ広告市場では、案件数だけを見ても事業の強さは判断できません。
会社側は、売上減少要因として、平均案件単価の下落、海外大型案件における為替のマイナス影響、案件数増加の効果を単価下落が上回ったことを挙げています。

アドフラウド対策が示す市場変化
2024年は、特定大口顧客の予算縮小や一部利用者の不正による案件停止がアフィリエイトサービスを押し下げました。会社はアドフラウド対策として、システム開発や監視体制の整備を進め、売上減少要因の解消を図ったと説明しています。
これは、アプリ広告市場が「とにかくインストールを増やす」段階から、「広告主にとって意味のあるユーザーを獲得する」段階へ移っていることを示しています。
広告主が見たいのは、インストール数だけではありません。継続利用するか、課金するか、不正ユーザーではないか、LTVが広告費に合うかです。
直販案件数を見るべき理由
GMO TECHの資料では、直販案件数の増加が継続的に示されています。ここは重要です。
代理店経由案件は案件数を積み上げやすい一方、マージンや成果地点の設計に制約が出やすくなります。直販案件が増えると、広告主と直接交渉でき、単価改善、大型案件化、不正対策、成果地点の設計がしやすくなります。
2025年通期資料でも、案件数は前年同期比6.0%増、直販案件数は1.6%増とされています。売上が落ちた局面でも、案件基盤そのものは崩れていないと読めます。
海外案件は成長余地とブレの両方
2025年の資料では、海外営業人員の増加、イベント出展数の増加、セミナー開催数の増加、アメリカ媒体への配信開始、韓国媒体でのノンインセン配信開始が示されています。
海外案件は、国内アプリ広告市場だけに依存しない成長余地です。一方で、為替、媒体品質、成果計測、国ごとの広告規制、不正対策の難易度も上がります。
GMO TECHのアフィリエイト事業は、海外案件を増やすほど売上成長の可能性は広がりますが、同時に四半期ごとの売上のブレも大きくなる可能性があります。
アプリ外課金は次のテーマ
GMO TECHはアプリ外課金にも取り組んでいます。2025年上期時点では3アプリに実装済みで、収益貢献は限定的でしたが、追加4アプリへの導入が決定していると説明されています。
アプリ外課金が広がると、広告の成果地点はさらに複雑になります。アプリインストールだけでなく、外部決済ページへの遷移、Web会員登録、サブスク契約、外部課金完了などが重要になる可能性があります。
これは、アプリ広告が「インストールを取る広告」から「アプリ外の収益導線まで設計する広告」へ広がる可能性を示しています。
この記事の結論
GMO TECHのアフィリエイト事業は、2021年から2023年にかけて大きく伸びました。しかし、2024年から2025年にかけてはアドフラウド、単価下落、海外案件の為替影響により減速しています。
ただし、案件数や直販案件数は増えており、事業基盤が単純に崩れたわけではありません。むしろ、アプリ広告市場が変化していると見るべきです。
読み解きの核心は、案件数が増えても売上が落ちる局面があることです。これは、アプリ広告が量から質へ、インストール数からLTVへ、国内案件から海外案件へ、アプリ内課金からアプリ外課金へ移っているサインです。
GMO TECHのアフィリエイト事業を見るなら、売上だけでなく、案件数、直販案件数、平均単価、海外案件、アドフラウド対策、アプリ外課金の進捗をセットで見る必要があります。

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