心理学の領域は、現代はインターネット広告と相性が良いです。
僕自身が好きで勉強していますが、心理学の研究をネット広告に活かす技術がどんどん身近なものになってきているなぁ。と日々実感しています。
しかし、勉強していてこれは心理学的解明されている通り、相手の狙い通りに影響を受けているぞ!と自覚していてもついそれに踊らされてしまうことが多々あります。
それが「希少性」と呼ばれる原理です。
早い話が、スーパーやお店の「限定タイムセール」などというものです。
僕自身はこの希少性にこれまでさんざん踊らされてきました。
悔しい反面、優秀なこの心理的技術を今回はご紹介していきます。
▼この記事の参考になる人
・タイムセールや期間限定、今だけ!という文句に弱い人
・なぜ人が限定ものに弱いのか知りたい人
・心理学に興味のある人
この身近な心理学の技、希少性をぜひ楽しんでいってください!
希少性とは?単純に珍しいことが有利に働くのか?
僕と同じように限定ものに弱い人は多くいらっしゃると思います。
あらためてその限定ものについて考えてみると、それが珍しいから有利に働くように見えるかもしれませんが、心理学的な解釈は異なります。
実は限定ものの商品やサービスの中身というよりも、人は機会損失を嫌う傾向があることが希少性の原理を引き起こしています。
図で示すと以下のイメージです。
希少性の原理は、限定というメッセージを受け取ることで人がそれを買える権利や自由が失われるリスクを嫌がることで働き始めます。
つまり、「今買わなかったらもう手に入らない」という機会損失が想起されることが、この希少性の原理を作動させるトリガーになるということです。
そして希少性の原理が働くこのトリガーは、宣伝に限らず様々なところで利用されたり、歴史的に残す出来事のきっかけにもなるほどの影響力を持っています。
希少性の事例_スケールはとことん大きい
希少性の原理を現代で活用しているケースは、広告宣伝だけでなく別の形でもあります。
それはオークション(競売)です。
オークションは自分が手に入れたい商品が、他者の入札によって自分が手に入らない状況を最も明確に認識できるシステムです。
そのためそこで目にする「自分が手に入れられない」状況の影響力は非常に強力です。
人は感情的になってより一層それが重要なものだと加速して思い込むようになります。
図で示すと以下のイメージです。
またオークションに限らず、希少性の原理は歴史的に大きな影響を与えてきています。
それが革命です。
どの歴史を見ても、革命が起きるタイミングに共通点があることが分かっています。
それは、もともと貧困を味わっていた層の生活が裕福に改善していき、何かの理由でそれが失われると分かった時に革命は起こるのです。
つまり、人々は今ある裕福さを失うことが分かった時に希少性の原理が働き、その権利を守るために革命という手段を用いるのです。
これだけ身近な事例から歴史的事実に至るまで、希少性の原理は広く強い影響力を持っています。
現代で革命を必要とする可能性は少なそうですが、先の限定ものの広告に踊らされないようにするために、ここからは希少性に対する防衛法を見ていきましょう。
希少性、その防衛法
希少性の原理が働いている時、その影響を受けている時の我々は感情的になっています。
人によっては極度に興奮している可能性もあるでしょう。
しかし、これこそ希少性の罠と言える状況ですので注意が必要です。
感情的になっていたり興奮していると人は冷静な判断ができなくなります。
最も重要な防衛法は、自分がそのように感情的になっている時にそれを自己認知することです。
自分が感情的な状態にあることを認識して、その場で決断を下さず、冷静さを取り戻すまでそれを保留しておく必要があります。
大体において限定ものとして外部から言われている時、人はそれを本来必要としていないタイミングで突如言われることが多いと思います。
ですので、本来それは自分が欲しいものだったのか?前から興味を持っていたものだったのか?このような観点で立ち返る必要があります。
また、オークションのような場面は、今の価値、値段はそのもの本来の価値かどうかをしっかり考える必要があります。
このように、一度冷静に考え直す習慣を持つことが、希少性に踊らされなくなるために必要な防衛法です。
さいごに
希少性は身近なものでありながら、歴史を変えてしまうほど人の感情に強く影響を与えるものです。
ですので、限定ものに弱いというのも頷けるはなしです。
しかしながらいつまでもこの希少性に踊らされているのも嫌なので、この希少性の原理をしっかり理解して逆にこちらが都合よく使える強力な武器にしてしまいましょう。
今回ご紹介したこの希少性は、『影響力の武器』という本で紹介されている心理学のテクニックの1つです。
これ以外にも今からすぐに使える心理学のテクニックがこの本で紹介されいています。
僕はこの『影響力の武器』を何度も読み返して自分の武器にしてきました。
手元に置いておいて損のない1冊です。ぜひ手に取ってみてください。
それでは。
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