マンガの世界の建物をリアルで建てたらどうなるのか考えた本があった!_『マンガ建築考』

コラム

日本のマンガは世界的にみても評価の高いものですね。海外のコミックを見てみても正直日本のクオリティに全然届いていないな、と感じてしまうばかりです。

 

日本のマンガで面白いのは、そのマンガのモデルになった場所にファンが赴く「聖地巡礼」というものです。

 

やってみると分かるのですが、マンガで親しみをもった場所や建物を実際に訪れて、その似てるところやちょっとした違い、雰囲気を味わうのはおもしろいです。

 

一方その逆の発想で、マンガで登場した建物をリアルな我々の生活の中で建てたらどうなるのか?建てられるのか?という観点で真剣に考えた人がいます。

 

それが今回ご紹介する『マンガ建築考』という本に記載されています。

 

▼この記事が参考になる人

・おもしろい本を探している人
・聖地巡礼が好きな人
・建築に興味のある人

 

建築物をSFに捉えず、真剣に考え込んだ著者の姿勢に刺激を受けるところもあれば、「そこまでする?」とツッコミを入れたくなる部分もあって素晴らしく楽しい本でした。

 

ぜひ楽しんでいってください!

 

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好きを追求したからこそ生まれた本

今回のテーマの本の『マンガ建築考』ですが、著者の森山高至氏は大の建築好きです。

 

「建築エコノミスト」として異色の経歴を持ちつつ多岐に渡る仕事をされていて、非常に見聞の広い方です。

 

僕は前職が建築関係ということもあり、人よりは建築物に対して多少興味を持っているタイプなのですが、この森山高至氏の建築に対する熱量は圧倒的に高いです。

 

建築好きが高じて世界中に建築の素材を見にいくなど非常にアクティブで、その好奇心と興味は止まることを知らないようです。

 

人生でそれくらい夢中になれることを見つけられるのは非常に羨ましいな、と読んでいて感じました。

 

それくらい、『マンガ建築考』は著者の建築への愛情のつまった本です。

 

そして同時に、徹底的に好きを追求した人の世界観はおもしろいということがよく分かります。

 

変人と言って片付けてしまうには惜しい。この本を通して著者に学ぶべき部分はとても多いです。

 

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どんな建物を取り扱っているのか?

『マンガ建築考』で紹介されている建物は、マンガを普段あまり読まない人でも知っているタイトルまで網羅されているので手に取りやすいです。

 

もし知らないマンガであれば、その部分を読み飛ばしても全体の進行に差し支えない作りになっています。

 

『マンガ建築考』で紹介されている建物は以下の通りです。

 

  • 『賭博黙示録カイジ』 カイジの渡る鉄骨
  • 『機動警察パトレイバー』 バビロンプロジェクト
  • 『ワンピース』 インペルダウン
  • 『進撃の巨人』 壁
  • 『機動戦士ガンダム』 ホワイトベースを隠すドーム
  • 『グラップラー刃牙』 地下闘技場
  • 『彼岸島』 吸血鬼たちの家
  • 『らき☆すた』 鷹宮神社
  • 『へうげもの』 茶室
  • 『花より男子』 道明寺邸
  • 『けいおん!』 唯ちゃん宅
  • 『海月姫』 天水館
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』 綾波レイの部屋
  • 『めぞん一刻』 一刻館
  • 『童夢』 団地

 

全15作品というラインナップで非常に読み応えがありました。

 

各章の冒頭で大枠のストーリーと作品が描かれた時代背景、対象となる建築物の扱われ方が端的に紹介されているので、知らないマンガの建築でもすんなりと読めるので楽しいです。

 

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特におもしろいのは!

僕はワンピースとエヴァンゲリオンの話は非常におもしろかったです。

 

ワンピースは海中にそびえ立つ大監獄、インペルダウンを扱っているのですがなんとこれが建築可能ということ。

 

そしてインペルダウン内にある各階の地獄も再現可能ということで、建物だけではなく設備構造まで網羅されている視点が非常におもしろいです。

 

エヴァンゲリオンの綾波レイの部屋にいたっては、実はコンクリート打ちっぱなしの部屋じゃなかったという新事実が建築の観点で見えてきておもしろい。

 

しかも使われている電気や扉のメーカーまで言い当てている姿勢はもはや秀逸を超えてシュール。

 

徹底的にリアルに再現することを追求した内容になっているので読み応えバツグンです。

 

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さいごに

僕はこの『マンガ建築考』を読んで、その内容の楽しさに夢中になったことに加え、「好きなものを徹底的に追求すること」の奥深さに刺激を受けました。

 

真剣に自分にとって好きなことを見つけようとすると簡単なようで難しい。

 

さらに情熱が湧き続けることかどうかとなると一層難しいです。

 

だからといって何もしないのは間違いなのですが、自分がこれだ!と感じるものを見つけ、徹底的に追求できる人生は楽しいだろうな。と感じた一冊でした。

 

自分にもこんな追求できるものが見つけられる可能性があると思うと、内容以上にワクワクを共有してくれる良本です。

 

それでは。

 

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