経済ニュースを見ていると、赤字事業だと分かっているのに継続して、結果的に破綻してしまう企業のニュースが出てくることがあります。
赤字だと分かってるなら、その時点で撤退すればいいのに、、、
当然このような感想が頭をよぎりますが、実はこのように途中でやめることができないのは心理学的に説明することができます。
キーワードは心理的拘泥現象(しんりてきこうでいげんしょう)というものです。
▼この記事が参考になる人
・プロジェクトのやめ時を前もって考えておきたい人
・心理的拘泥現象に興味のある人
・心理学に興味のある人
ぜひ楽しんでいってください!
心理的拘泥現象とは何か?
集団が一度決めた決定事項は、たとえその結論が間違っていても覆せなくなることがあります。
途中でその決定が間違ったものだった!ということに気がついても、取りやめや撤退をすることができないのです。
このような状況に企業が陥ってしまうと、最悪の場合破綻するような事態になってしまいます。
図で示すと以下のイメージです。
決定事項を途中で取りやめることができない理由は、主に「それまでにかかった労力を無駄にしたくない」という考えと「自分たちの判断が間違っていたと認めることへの抵抗」の2つがあります。
これによって決定を正当化してしまい、最後の最後まで事実を見ようとしなくなるのです。
ある意味、意地ですが企業のような舞台でそのような心理的拘泥現象が起きてしまうと周囲に及ぼす影響値は計り知れません。
この心理的拘泥現象を防ぐために、悪魔の擁護者という考え方が存在します。
悪魔の擁護者の役割を持たせて判断をより深く考えよう
悪魔の擁護者は、その決定のための議論の場に「あえて反対意見を言う人」を用意することで反対意見を言いやすい場を作るというものです。
この役割を作ることで、集団にありがちな同調圧力や集団的浅慮などの事象を避けようというものです。
役割があることで反対意見も言いやすくなり、より建設的な議論ができるというものです。
身近な心理的拘泥現象
身近な例で言うと、途中でやめられなくなるパターンはたくさんあります。
株やギャンブルなどが特にそうです。
ここまでお金を使っておいて引き下がれるか!取り返すんだ!
このような考えが心理的拘泥現象と言えるでしょう。
損失を最小限に留めるというのは気持ち的にしんどいものです。
しかしながら本当に損失を膨らませてしまうと大変なことになります。
「諦めが肝心」という言葉もありますが、心理的拘泥現象を理解しておき、事前にやめ時まで計画に入れておくことが損失を最小限に留めるための重要な考え方と言えそうです。
さいごに
今回は心理的拘泥現象を紹介しました。
心理学のおもしろいところは、企業の倒産のようなスケールの大きいものから個人の失敗談まで心理学的に解説、発見できるところにあります。
心理的拘泥現象を紹介するにあたっては以下の本を参考にしました。
他にも日常を豊かにしてくれる心理学のテクニックがたくさん紹介されているのでぜひ参考にしてみてください。
趣味感覚で読めるので非常におすすめです。
それでは。
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