小学生の頃などよく避難訓練をさせられませんでしたでしょうか?
大人になってありがたみが分かりますが、僕は避難訓練を実践で使うような場面に遭遇したことはないです。
話を戻すと、小学生の頃はどうも危機感を持てず、ただ何となく避難訓練に付き合っていた感覚でした。
これは自分の周りにいる同級生を見ても同じで、「それほどでもない」感覚で避難訓練をしていました。
ただ一方で、近年の集中豪雨などの災害のニュースを見ていると必ず逃げ遅れた人が取り上げられています。
付き合い感覚の避難訓練だったとはいえ、なぜすぐに避難しなかったのだろう?と毎回不思議に感じていました。
この疑問に答えをくれるのが、今回ご紹介する心理学です。
キーワードは多元的無知です。
▼この記事が参考になる人
・災害時に備えたい人
・集団の心理に興味がある人
・心理学に興味のある人
人の行動の意味が分かると、いざというときに役に立ちます。
ぜひ楽しんでいってください!
多元的無知とは
災害を例にとりましょう。
集中豪雨などで明らかに避難勧告が発令されているにも関わらず行動を起こさず、結果的に逃げ遅れる人がいます。
このような人に多いのが、「いま起きていることが緊急事態であると認識していない」ということです。
つまり、避難勧告が出て近所の人が避難しているのを見ると危険さを感じて自分も避難しようと考えますが、誰も避難していないと感じると大丈夫だろうと考えて行動を抑える。というものです。
このように他人が行動しないことで自分の不安や疑念を抑えて、たぶんたいしたことないだろうと捉えることを多元的無知と言います。
図で示すと以下のイメージです。
上記イメージの多元的無知の実験でも、周囲の人に流されて行動を抑制することがわかっています。
このことから、事態を把握するために周囲の人の反応だけを根拠にするのは危険と言えそうです。
また、これは災害時に限らず日常生活でも多元的無知は存在します。
社内で考える多元的無知
会社で働いていると関わってくるのは会社の業績です。
個人の成績であれば、その人それぞれの課題をクリアするために動くところでしょうが、会社の業績に対して深く興味を持っている人はあまりいないでしょう。
会社経営に直接関わっている人でなければ、会社の業績に責任感を持ったり、危機感を抱くことは少ないと思います。
このため、仮に会社の業績が悪い場合かったとしても、周囲の同僚の反応が特になければ「会社の業績は悪そうだが、倒産するほどではないだろう」という風に捉えてしまう形になります。
これが社内で起こりうる多元的無知です。
業績が悪ければその分ボーナスや給料に影響が出る可能性が高いのです。
このようにして考えると、多元的無知は身近なところでたくさん起こっていそうです。
さいごに
今回は心理学の多元的無知を紹介しました。
災害を切り口にしましたが、身近なところで頻繁に起こっている心理だと言えそうです。
周りに流されないためにも、自分の軸を持って行動していきたいところですね。
ご紹介した多元的無知は、以下の本を参考にこの記事を執筆しています。
多元的無知以外にも読んだらすぐに使える心理学のテクニックがたくさん紹介されているのでぜひ手に取ってみてください。
どれも趣味感覚で読める、読みやすい本です。
それでは。
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